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第三回「七五三人口の真実」

こんにちは。みなさん、お元気でしょうか。
地味な企画ですが、みなさんの応援に支えられ、頑張っています。

せっかくの月間配信なので、季節に合うテーマをと思いまして。今月は七五三です。
このページをご覧になっている方のほとんどは、おそらく独身か、結婚後間もない方かと思います。
なので、七五三とはあまり縁がないのでは?と思いますが、今回は、七五三をきっかけに、日本の人口に関する数字、さらには、いわゆる「少子高齢化」に関してご紹介したいと思います。

七五三とは、男の子の場合は三歳と五歳、女の子の場合は三歳と七歳に、成長を祝って行う行事です。昔は数え年だったらしいですが、今では満年齢で祝うことの方が多いようです。おめかしをして、千歳飴を持って、緊張した表情の写真が実家にある方、多いのではないのでしょうか。

【七五三クイズ】

さて、ここで、七五三に関連したクイズです。
※いずれも、データをそろえる関係上、2005年に揃えています。また、七五三は全て満年齢です。

  • ・2005年に七五三を迎えた子供の数
  • ・2005年時点で、大学に在籍している人
  • ・2005年時点で、85歳以上のご年配の方

一番多いのはどれで、一番少ないのはどれでしょうか?

答えは・・・

  • ・2005年に七五三を迎えた子供の数 → 234万人
  • ・2005年時点で、大学に在籍している人 → 287万人
  • ・2005年時点で、85歳以上のご年配の方 → 293万人

85歳以上のご年配の方が一番多く、七五三を迎える子供が一番少ないのです!

もうちょっと例を足してみましょう。

  • b) 今年七歳、五歳、三歳のいずれかの子供 →  353万人
  • c) 2005年時点で、小学校に在籍している人 →  720万人
  • d) 2005年時点で、中学に在籍している人 →  363万人
  • e) 2005年時点で、高校に在籍している人 →  361万人
  • f) 2005年時点で、大学に在籍している人 →  289万人
  • g) 2005年時点で、65歳以上のご年配の方 → 2,567万人
  • h) 2005年時点で、75歳以上のご年配の方 → 1,160万人
  • i) 2005年時点で、85歳以上のご年配の方 →  293万人

出展:a), b), g), h), i) ...国勢調査より / c), d), e), f) ...学校基本調査より 

これを見ると、いかに日本の少子高齢化が進んでいるのかが分かると思います。
単純に考えると、七五三を迎える子供を見つけることは、大学生を見つけることや85歳以上のご年配の方を見つけるよりも難しいということです。
同様に、七歳・五歳・三歳の子供を見つけることは、高校生を見つけるよりも難しいのです。
そして、65歳以上のご年配の方(2,567万人)は、小学生~大学生を足した数(1,733万人)より多いわけ(しかも圧倒的に!)です。

若い人は、若い人が多い中で暮らしていて、ご年配の方はご年配の方が身近な中で暮らしています。なので、こういった世代間の割合を日々の暮らしの中で実感する事は少ないと思います。なので、改めてこういった数字を調べるということは地味ですが、大切なことだと思います。


【七五三人口の推移】

では、七五三に関して、もう少し詳しく見てみましょう。
過去の国勢調査の結果をさかのぼることで、七五三人口の推移が分かります(図表1)。

(図表1) 七五三人口の推移
img
出展:国勢調査より

「男の子の場合は三歳と五歳、女の子の場合は三歳と七歳」に限った場合(以降は七五三人口【小】と言います)、1980年には374.6万人だった七五三人口が2005年には、233.9万人にまで減少しています。これは1985年を100とすると、2005年は62.4です。男女区別なく、七歳、五歳、三歳を合計した場合(以降は七五三人口【大】と言います)、1980年には574.3万人だったものが2005年には、352.6万人にまで減少、これも同じく1980年を100とすると、2005年は61.4です。いずれにせよ、60%近くまで落ち込んでいます。

イメージしやすくすると、今まで10必要だった教室が、6つで済むということです。もしくは、市内に10あった小学校が、6つで済むということです。七五三にそろえて考 えるならば、七五三で売られている千歳飴(でも、羽織・袴でも、記念写真でもいいんですが)が25年前の60%しか売れなくなるということです。

会社にとっての売り上げが、60%になったら一大事ですよね。そしてさらには、人口が60%になるということは、将来の働き手が60%になることです。同じ効率であれば、国で稼ぐ額も60%になります。社会人の方、お給料が60%になるとしたら...、バイトの方、自給が60%になるとしたら...。 これって一大事だと思いませんか?でも、これが実際に進行している真実なのです。


【少子高齢化を数字で見てみると...】

でも、こんなに大きく減っていることに気づいていた人は、ほとんどいないのではないのでしょうか。僕も、この原稿のた めに調べるまで、ここまで減っているとは知りませ んでした。なぜだろう?と考えてみると、それは、「日本の人口全体」という意味では、これほどの極端な変化は起きていなかったからじゃないかと思います。

そこで、この1980年から2005年までの間、日本の人口はどう推移していたかというのを重ねてみたものがこちらです(図表2)。

(図表2) 七五三人口の推移と全人口の推移
img
出展:国勢調査より

2005年まで人口は増え続けています(ちなみにこの2005年とは、日本で統計記録上、初めて人口が減少を始めた年です。ただし、2006年と2007年は微増しています)。

では、この25年間に増えたのはどんな人たちでしょう?人口は増えていて、子供が減っているのですから、答えは言うまでも無く年配の方々です。

65歳以上の方の人口(是非はともかく、高齢者と言えば、一般に65歳以上を指します)、そして、冒頭のクイズで挙げた85歳以上の方の人口を重ねたものが(図表3)です。 さきほど、七五三人口が減少しているという話をしたばかりですが、それをはるかに上回るペースで高齢者が増えていることがわかると思います。

世の中では「少子高齢化」と言われていますが、実態としては「少子高齢化」といった方がいいくらいなのです。

(図表3) 全人口・七五三人口・高齢者人口の推移
img
出展:国勢調査より

いろんな数字で、ごちゃごちゃになってきたので、ひとつ、まとめのグラフを作ってみました。それぞれの数字を、1980年を 100として伸び率が分かるようにしたものが(図表4)です。

(図表4) 全人口・七五三人口・高齢者人口の推移 (1980年を100とする)
img
出展:国勢調査より

こちらを見ても、小子化も高齢化も進んでいるけど、圧倒的に高齢化のペースが速いことが分かります。

高齢化は正直言って止められません。すでに生まれた方々ですから・・・。でも、少子化は止められるはずです。だってこ れから次第、僕ら次第だから。具体的な方法等は、 色んなところで議論されています。

たとえば、政府によるものでは、「 ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」 というものが、2009年に提言をまとめています。

これに先立つ2008年には、上記プロジェクトチームのメンバーでもある、勝間和代さんが、毎日新聞のWeb上で「勝間和代 のクロストーク」というコーナー内で「皆さんが考える少子化対 策は?」といったコーナーを設けています。また、現在の民主党政権では、皆さんご存知のように「子ども手当」を実施しています 。厚生労働省のページには、「子 ども手当について 一問一答」というページがあります。

少子高齢化ってよく聞く話だと思います。でも、独身だったり、学生さんだったり、身近に感じることのない人も多いと思 います。そんな方たちに、このコラムや、さきほど 紹介したリンクが考えるきっかけになればいいな、と思います。僕自身、未婚子なしで昔なら子供の一人や二人、居てもおか しくない年齢に達しています。少子化は他人事では ないことです。

最後に、もうひとつ。「最新の(2009年 10月現在)人口をまとめた数字」がwiki にあります。総務省のページから引っ張っただけなのですが、きれいにまとめら れているので引用します。

これを見ると、

  • 七五三人口【大】は  331万人
  • 65歳以上人口は   2,901万人
  • 85歳以上人口は    366万人

となっています。先ほどの2005年時点の数字と比べてみましょう。

  • 七五三人口【大】は 353万人 ⇒  331万人 ( -52万人)
  • 65歳以上人口は  2567万人 ⇒ 2,901万人 (+334万人)
  • 85歳以上人口は   293万人 ⇒  366万人 ( +73万人)

七五三人口【大】と85歳人口が逆転しているのが分かると思います。少子化も高齢化も、今現在、リアルに進んでいること なのです。

では、今回も最後までありがとうございました。また来月!感想待ってます!

PROFILE

IKENAGA Masayukiさん

IKENAGA Masayuki(いけなが まさゆき)
外資系の市場調査会社(マーケティング・リサーチ会社 )勤務。
自動車、生活用品 、顧客満足関連を中心に、国内外問わず多くの調査を担当。景気がいい頃は、海外出張も多かったけど、不景気に伴い今は地 味に内勤。時々、アンケートの「中 の人」をしています。数字を扱う調査が多いですが、実は根っからの文系。座談会、インタビュー形式の調査経験も豊富。30 歳目前で体重管理が目下の最重要プ ロジェクト。和食大好き。

twitter公式アカウント@ masayuki_i


第二回「平均寿命の読み方」 第四回 「信仰心を数字にすると」

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